2015年11月25日

やられたら

「……あんた、誰?」
「あ、初めまして。自分はエイリスと申します」
「変わった名前だな。洗礼名かなにか?」
と彼は訪ねたが、男――エイリスは薄く笑うだけだった。それを見て、直感的に思う。
 どうも怪しい。何かが――変だ。ご丁寧に自己紹介をしてくれること鑽石能量水も然り、どうして自分を恐れない? もし同じ試験者であれば、自分を見て追手かと疑い、まずその確認をして然るべきだ。それが無いということは…
 彼は即座に逃げた。が、向かったその廊下の先から誰かの足音が聞こえてきて、慌ててリターンすることになった。
 やむをえず、再び例の調理室の中に入り込む。
「……」
「大丈夫です?」
「あんまり」
もう一度エイリスと顔を突き合わせることとなった。しかし先の足音の主が追手で、しかもこっちに向かってきたら……まさしく前門の虎に後門の狼。だからといって、逃げ道は一本しかない。仮にエイリスから逃げるにしても、足音の主が完全に去るのを待たないと。
「やはり武器がないと辛いですよね」
「え?」
汲々とする彼に対し、エイリスは全く落ち着鑽石能量水いて話しかけてくる。
「武器の使用は禁じられていませんよ。、同じようにやりかえしてもいいんです。何か使いますか?」
「……」
エイリスは相変わらず薄笑いを浮かべている。不気味だ。
 だが武器の提案は名案である。彼は少し話に乗ってみることにした。
「何かって、何があるんだ?」
「そうですね、例えば」
言いつつ、エイリスは懐から小さなものを取り出した。蛍光灯の明かりを反射し、光るそれはフォークだった。
「これとかいかがでしょう。場所も取らず、たくさんスペックしておくことが出来ますよ」
「んなもん使えるかよ。もっと威力があるものは? 鉄パイプとか、金属鑽石能量水バットとか。何なら果物ナイフでもいい。血は見たくないけど」
「なかなか敬虔ですね」
「ケイケン?」



Posted by 似水流年 at 11:34│Comments(0)
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